副鼻腔炎(ちくのう症)

大人の副鼻腔炎とは

人の顔には副鼻腔とよばれる空洞がいくつかあり、健康時には何もたまっていませんが風邪をひいたあと数日してこの部分に分泌物や膿(うみ)がたまってくることがあります。この場合、発熱とともに頭痛、頬の痛み、目の奥の痛み、額の痛みが出現することがあります。これらの状態を副鼻腔炎(蓄膿症:ちくのうしょう)と呼びます。原因は風邪で増えた鼻水が鼻および副鼻腔にたまり、そこで細菌が増えることにより副鼻腔に炎症をおこし膿汁がたまってしまいます。治療には主に抗生物質を服用していただきますが、顔面の痛みなど症状が強い重症の場合には点滴治療を行います。副鼻腔炎を繰り返す場合や内服薬で完治しない場合は手術が必要になることもあります。

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小児の副鼻腔炎とは

小児において副鼻腔は大人にくらべて小さく、大人のように頭痛や顔面の痛みが症状として現れることはまれです。長引く黄鼻、鼻閉、不眠、もしくは難聴(←併発する急性中耳炎や、滲出性中耳炎による)といったものが症状となります。特に2,3歳までは免疫力が未熟で鼻腔で細菌が種類を変えて繰り返し増えやすいため抗生物質を飲んでいるにもかかわらず鼻が減らないといったことが起こります。したがって、その時にどんな細菌が鼻で増えているかを検査で調べ、最も効く薬を選んで飲まなければいけません。お薬を漫然と長期間飲んでいるのでは効果が見られないケースがおこります。

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当院の治療指針

大人の副鼻腔炎について、頭痛や顔面痛にいたっている重症例に対しては積極的に点滴治療を行います。元来、顔面は骨が多い部分なので内服した抗生物質が副鼻腔にとどきにくく、内服薬では十分な効果が出にくいことからも血管内に薬剤を直接入れる点滴治療が有効となりやすいのです。また点滴を行う際には同時に採血検査も行い、その場で得られた結果から炎症の程度や病気の重症度を判定し治療期間の推定を行います(▶4)。妊婦や授乳婦の方についても、重症例には点滴や体に影響の少ない鼻腔洗浄(▶2)を併せて行いリスクの少ない治療を行います。 子供においては、いまその子の鼻で増えている細菌を調べ、最も有効な抗生物質を最低期間投与することで、薬剤耐性菌(お薬が効きにくい細菌)が増えないようにします。実際には鼻水の細菌検査を行い、鼻の中で増えている細菌の種類を特定します(▶3)。薬剤耐性菌は、効かない抗生物質を漫然と長期間飲むことにより増えると考えられています。治療に際してはアレルギー性鼻炎も患っていることがあり、アレルギーの薬を同時に飲んでもらうこともあります。 当院では副鼻腔炎の有無についてレントゲン検査で確認する(▶5)ほかに、鼻の中にファイバースコープを入れて観察する検査も行っています(▶6)。またCT、MRI検査も近隣の医院に依頼して数日中に撮影できる体制を整えております(▶7)

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当院での副鼻腔炎治療のポイント

大 人

 

 頭痛や顔面の痛みがひどい場合は点滴を連続して行います。

 体の都合で薬が飲めない、服薬数が多い場合などはご家庭でできる鼻腔洗浄を説明指導いたします。

 妊婦や授乳婦の方でもリスクの少ない治療法で治療いたします。

 

小 児

 

 

 引く鼻水や黄色の鼻水が多量に出る場合ちくのうの可能性があり、中耳炎を起こしていることもあります。

 鼻の細菌検査を行い、検査結果に基づいて最も有効な抗生物質を最短期間投与します。

 鼻汁吸引などご家庭でできる治療方法も紹介し指導いたします。 

 


主な検査・設備

鼻汁吸引器(小児向け)/ATOM羊水吸引カテーテル

アトムメディカル

市販品の鼻汁吸引では鼻が吸えないというお声をもとに、当院で使用している鼻汁吸引器です。吸引された鼻水が容器の中にたまるため、鼻汁の色や性状(粘り度)を目で確認することができます。また得られた鼻水から直接細菌培養検査が行えるので、検査が必要なとき再度鼻に綿棒を入れて痛い思いをすることがありません。自宅でも鼻汁吸引ができるよう、吸引の仕方を当院で説明・指導いたします。

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鼻腔洗浄器/鼻クリーンS

株式会社 東京鼻科学研究所

洗浄器からシャワー状にふきでる液で鼻腔を洗う器具です。温度計もついており適温の洗浄液を調整することが可能で、携帯に便利な大きさです。お薬で鼻が減らない方、妊婦、授乳婦の方でお薬での治療ができない方に販売しております。洗浄液を作る粉(食塩+重曹)は当院で処方いたします。

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細菌検査キット/ラピラン肺炎球菌HS(中耳・副鼻腔)

大塚製薬株式会社

鼻の中に肺炎球菌がいるかどうかを調べる検査キットで、15分で結果が判明します。鼻腔で肺炎球菌が増えている場合、多量の黄色鼻汁がみられ、発熱や重症化した中耳炎を引き起こしていることもあり、この検査結果から最適な抗生物質を投与することが可能で、早期の症状改善につながります。

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全自動血球計数器 CRP測定装置/MEK-6500シリーズ セルタックα

日本電光

採血したその場で白血球数、赤血球数、血小板数がわかります。また炎症の程度を表すCRP値も同時に測定できます。これらにより重症の副鼻腔炎の方に病気の重症度ならびに治療期間の目安(何日くらい点滴通院が必要か)をお知らせできます。

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モニターを使った病気の説明

鼻の中の正常構造や、副鼻腔炎という病気については言葉の説明ではイメージがつきにくいものです。正常と病気の時とどのように違うのかなど写真やイラストを使ってモニター上でわかりやすく説明します。

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レントゲン検査

副鼻腔炎があるかどうかをレントゲン画像で確認します。撮影後すぐにその場で結果を見ることができます。

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鼻腔ファイバースコープ/ビデオスコープ・ビデオシステム

オリンパス

鼻の中に細い管を入れ、鼻汁の程度や流出部位、また出血の原因など鼻内部の状況をデジタル画像で拡大し観察することができます。

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CT、MRI検査(予約制)

内科放射線科 植月医院

医療連携している植月医院に依頼してCT,MRI検査を数日以内で行うことができます。CT検査により副鼻腔炎の状態を細部にまで評価することができ、画像診断専門医の意見を聞きながら病気の診断や状態、治療効果判定などを正確行うことができます。患者さんの状況によっては植月医院からの送迎車を当院もしくはご自宅まで手配することが可能です(午前のみ)。


大阪府 堺市 耳鼻科 耳鼻咽喉科 しまだ耳鼻咽喉科 植月医院(堺市南区片蔵)
植月医院(堺市南区片蔵)
大阪府 堺市 耳鼻科 耳鼻咽喉科 しまだ耳鼻咽喉科 副鼻腔炎 蓄膿症 ちくのう症 MRI CT
大阪府 堺市 耳鼻科 耳鼻咽喉科 しまだ耳鼻咽喉科 副鼻腔炎 蓄膿症 ちくのう症 診断専門医
診断専門医による報告